我が家ではチンチラのこたろうと6年以上暮らしています。
チンチラは頭が良いと言われることがありますが、それなら犬のように「おいで」「ダメ」「ハウス」といったしつけもできるのでしょうか。
今のところ感じているのは、「しつけは簡単ではない。でも、習慣や行動のパターンを覚える力はかなりある」ということです。
名前を呼べば必ず来るわけではありませんし、「ダメ」と言ったことを二度とやらなくなるわけでもありません。それどころか、怒られると分かっていそうなのに同じいたずらを何度も繰り返します。
その一方で、ご飯や部屋んぽの時間は驚くほど正確に覚えていますし、毎日繰り返している生活の流れもかなり理解しています。教えたつもりがなくても、いつの間にか自分で覚えていたこともたくさんあります。
この記事では、こたろうとの実際の生活をもとに、チンチラはどんなことを覚えられるのか、逆にどんなしつけが難しかったのかを紹介します。
■この記事でわかること
・チンチラは犬のようなしつけができるのか
・名前を呼んだら来る?こたろうの場合
・教えていないのに覚えたルーティンや時間感覚
・「ダメ」が通じない?いたずらへの対処法
・トイレ・抱っこ・「ちょうだい」の練習について
・6年飼って分かった「しつけ」より「習慣」の考え方
- チンチラはしつけできる?
- 名前を呼んだら来る?こたろうの場合は正直かなり怪しい
- 教えていないのに、毎日のルーティンは勝手に覚えた
- 時計が入っている?と思うほど時間には正確
- ケージに戻るときも「砂浴び→ペレット」の流れを完全に覚えている
- 芸も一応練習中。「ちょうだい」はかなり適当
- 「ダメ」はその瞬間だけなら通じる。でも、またやる
- かじる・突破する・登る。いたずらはしつけより環境対策
- トイレもしつけようとしたけれど、我が家では覚えなかった
- 抱っこは「好きにする」のではなく「必要なときにできる」ことを目標にした
- ご褒美は特別なおやつじゃなくてもいい
- 6年飼って分かったのは「しつけ」より「習慣」
- まとめ|チンチラは言うことを聞くというより、よく見て覚えている
チンチラはしつけできる?
結論から言うと、私はチンチラを6年飼ってみて、「犬のようなしつけを期待すると難しいけれど、経験から学習する力はかなりある動物」だと感じています。
何かを繰り返しているうちに、「このあと何が起こるのか」を覚えるのはかなり得意です。
ただし、人間から「これはやっていい」「これはやってはいけない」と教えれば、そのルールに従ってくれるかというと話は別です。少なくともこたろうの場合、しつけというよりは、
- 毎日のルーティンを覚える
- 音と食べ物を関連付ける
- ある行動をすると次に何が起こるか覚える
- 時間帯をかなり正確に覚える
- ご褒美があれば簡単な芸のようなものも学習する
といったことの方が得意そうです。反対に、「そこをかじってはいけない」「フェンスを越えてはいけない」といった人間側の禁止事項は、なかなか守ってくれません。
チンチラの知能については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

名前を呼んだら来る?こたろうの場合は正直かなり怪しい
「チンチラは自分の名前を覚える」という話も聞きます。
ただ、こたろうについては、私は今でも本当に自分が「こたろう」だと認識しているのか怪しいと思っています。
呼べば来てくれることもありますが、名前を呼んだ瞬間にこちらを向いて駆け寄ってくる、というほど確実ではありません。かなり近くから「こたろう」と呼びかけても普通に無視されることがあります。むしろ無視される方が多いくらいです。
もちろん名前を呼んでこちらを見ることもありますが、それが「自分の名前を呼ばれた」と理解しているのか、単に飼い主の声や気配に反応しているだけなのかは分かりません。
なので少なくとも我が家では、「チンチラは名前を覚えて、呼べば来る」とまでは言えないかな、というのが実感です。
教えていないのに、毎日のルーティンは勝手に覚えた
一方で、生活の流れについてはかなりよく覚えています。
朝、飼い主がリビングへ起きてくると、こたろうはすでにケージの扉の前でポージングしながら待っています。「早く開けろ」と言っているようにしか見えません。
掃除を始めれば自分から外へ出てきますし、ペレットが入っているケースを鳴らせば飛んできます。
これらは特別な訓練をしたわけではありません。毎日だいたい同じ流れで生活しているうちに、いつの間にか覚えていました。飼い主側もある程度決まったルーティンになるようにしているので、覚えやすかったのだと思います。
チンチラに何かを覚えてもらうには、「言って聞かせる」というより、毎日同じことを繰り返す方が伝わりやすいのではないかと感じています。
根気強く繰り返し行うことでチンチラが「これをすれば何かもらえる」と覚えますし、スケールに乗ればペレットがもらえる、ケージをトントンと叩いてケージに戻れば砂浴びができる、といった日常の管理に必要なことをゲーム感覚で覚えさせる方法が良いのではないかと思います。
時計が入っている?と思うほど時間には正確
こたろうと暮らしていて特に面白いのが、時間感覚です。毎日ほぼ決まった時間になると、部屋んぽを催促してきます。
飼い主が近くにいれば、こちらまでやってきて足に前足を乗せ、上目遣いでじっと見てきます。少し離れた場所にいると、鳴いてこちらを呼ぶこともあります。
多少のズレはもちろんありますが、「そろそろいつもの時間」という感覚はかなり正確です。本当に体内に時計でも入っているんじゃないか、と思うくらいです。
これも「21時になったら部屋んぽですよ」と教えたわけではありません。毎日同じような生活をしていた結果、自然に身についた習慣です。
我が家の部屋んぽの時間帯やスケジュールについては、こちらの記事で紹介しています。

ケージに戻るときも「砂浴び→ペレット」の流れを完全に覚えている
我が家では、部屋んぽを終えるときに「ハウス」などのコマンドは使っていません。代わりに利用しているのが砂浴びです。
砂を入れた米びつをケージの前に持ってくると、こたろうは走ってきて中に入り、砂浴びを始めます。そのまま容器ごとケージの中へ戻します。
ここまでは飼い主が誘導しているわけですが、面白いのはその後です。砂浴びが終わると容器から出て、イージーホーム80の上側の扉の前に設置してあるステップまでダダンッと上がってきて、扉のところから鼻を突き出して待っています。
なぜなら、「砂浴びが終わる→部屋んぽ終了→ペレットがもらえる」と知っているからです。
「部屋んぽ終わりだよ」「ケージに戻って」「ここで待って」と、一つ一つ教えたことはありません。毎日の一連の流れそのものを覚えてしまったようです。
こういう姿を見ていると、こたろうの場合は単語を理解することより、前後の出来事をセットで覚えることの方が得意なのではないかと思います。
芸も一応練習中。「ちょうだい」はかなり適当
最近は「ちょうだい」も練習しています。理想としては、前足を両方使って「ちょうだい、ちょうだい」とするような仕草をしてくれたらかわいいなと思って始めました。
1~2日に1回くらい、ご褒美のペレットを見せながら練習しています。ただ、現実はそれほど上手くいきません。
今のこたろうができるのは、右前足をフンッと前に振るくらい。本当は両手でちょうだいをしてほしいのですが、かわいいのでそれでもOKにしています。
ちゃんと芸として理解しているのかは怪しいものの、「何かそれっぽいことをすればペレットが出てくる」くらいまでは分かっているんじゃないかなと思っています。
ちなみに我が家では、芸の練習用に特別なおやつは使っていません。以前のおやつの記事でも書きましたが、こたろうにとっては普通のペレットが十分ご褒美になります。練習に使う分も基本的には普段の食事量の中から使っています。

「ダメ」はその瞬間だけなら通じる。でも、またやる
では、やってはいけないことを教える「しつけ」はどうでしょうか。これはかなり難しいです。
たとえば壁紙をかじっているときに「ダメ!」と言えば、その瞬間はやめます。逃げていくこともありますし、こちらからフイッと顔をそむけて、「何もしてませんけど?」みたいな白々しい態度を取ることもあります。
そういう反応を見る限り、少なくとも飼い主が今の行動を嫌がっていること自体は察しているように見えます。
ただし、ここからが問題です。数分後には同じ場所へ戻って、またやります。
その場で注意されたことと、「今後ここをかじってはいけない」というルールが結びついている感じはありません。正確には、分かっていないのか、分かっているけどやりたい気持ちの方が勝っているのかは分かりません。こたろうを見ていると、個人的には後者なんじゃないかと思ってしまいます。
かじる・突破する・登る。いたずらはしつけより環境対策
こたろうは、とにかくいたずらが好きです。壁紙は剥がされます。家具の足元もボロボロです。ケーブルはもちろん危険なのでカバーをしていますが、そのカバー自体をなんとか剥がそうとします。
フェンスも、ジャンプして飛び越えようとしたり、わずかな隙間を見つけて体をねじ込み、突破しようとしたりします。空気清浄機やテーブルの上にも乗ります。
そして一度何かを気に入ると、かなり執着します。そのときのマイブームのようなものがあって、何度阻止してもまた同じ場所へ戻ってきます。
最初のうちは「そのうち覚えてくれるかな」と思うこともありましたが、6年一緒に暮らした現在は、こうした行動についてしつけで何とかしようとは考えていません。ケーブルにはステンレス製のチューブを巻く。フェンスは飛び越えにくい配置にする。危険な場所へそもそも入れないようにする。人間側が環境を変えます。
特に電源コードは、かじれば感電や火傷につながる危険があります。部屋んぽ中の電化製品のコードをかじると火傷や感電のおそれがあるので、コードカバーで保護し家具の後ろに隠すなどの対策をしにいといけません。
「何度もダメと言えばいつか覚えるだろう」と期待して危険なものをそのまま置いておくより、最初から物理的に触れなくする方が安全です。リビングで暮らすときのケーブル・巾木のかじり対策は、こちらの記事でまとめています。

トイレもしつけようとしたけれど、我が家では覚えなかった
トイレもしつけの代表例として気になるところだと思います。
我が家でも、こたろうをお迎えした当初はトイレを覚えてもらおうとしました。うさぎ用の三角トイレを置き、尿のニオイが付いたものを入れるなどして半年ほど試しましたが、結局覚えませんでした。
現在もおしっこはケージ1階ですることが多いものの、決まったトイレでするわけではありません。うんちに関しては、ほぼどこでもします。
ちなみに日本チンチラ協会も、「トイレは覚える子もいますが、覚えない子もいます」とした上で、繰り返し同じ場所におしっこをする場合はトイレを設置すると覚えてくれるかもしれない、という案内をしています。つまり、トイレを覚える子もいるのでしょうが、すべてのチンチラにできることではなさそうです。
我が家では「覚えなかったものは仕方ない」と諦めました。トイレについては別の記事で、実際に半年ほど試した結果も詳しく紹介しています。

抱っこは「好きにする」のではなく「必要なときにできる」ことを目標にした
抱っこも少し違います。こたろうは現在も抱っこが好きではありません。持ち上げるとブーブー文句を言います。だから、「抱っこが好きになるようにしつける」ことは目指していません。
ただし、病院へ連れて行く、体を見る、災害時に捕まえるなど、どうしても抱き上げなければならない場面はあります。そのため我が家では、嫌がりはしますが毎日一度は抱っこするようにしています。
目標は「抱っこ大好きなチンチラ」ではなく、必要なときに安全に抱き上げられるチンチラです。
チンチラは無理に捕まえようとすると逃げることもあるため、少しずつ人の手や接触に慣らしていく考え方は重要だと思います。毎日の積み重ねで慣らしていけること、手からごはんをあげたり、寄ってきたときに撫でたりしながら根気強く関係をつくっていく飼い主さんが多いと思います。
抱っこの練習方法や嫌がる理由については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ご褒美は特別なおやつじゃなくてもいい
何かを覚えてもらうのであれば、こたろうの場合はご褒美がある方が明らかにやる気が出ます。ただし、そのご褒美に特別なおやつは必要ありません。こたろうはペレットが大好きなので、普通のペレットで十分です。「ちょうだい」の練習をするときもペレットを使っています。
ちなみに、我が家で普段使っているペレットはこちらです。
一般的な動物の学習でも、望ましい行動の直後にその動物が好きなものを与える「正の強化」は、行動を覚えてもらう基本的な方法とされています。食べ物だけでなく、その動物が喜ぶものなら報酬になります。
ただ、こたろうの場合は「撫でてあげるから頑張って」と言われても、ご褒美として成立する感じはしません。自分から飼い主の隣まで来て、撫でてほしそうに頭を差し出してくることはあります。でも、それとこれとは別。芸をするなら、やっぱりペレットがいいようです。
6年飼って分かったのは「しつけ」より「習慣」
6年間こたろうと暮らしてみて、チンチラに対して「しつけ」という言葉を使うことには、少し違和感があります。
もちろん個体差はありますし、もっといろいろな芸や行動を覚えられる子もいると思います。ただ、少なくともこたろうについては、人間が決めたルールに従わせるより、毎日の習慣の中で自然に覚えてもらう方が圧倒的にうまくいきました。
- 朝になれば飼い主が来る
- 掃除が始まれば外に出られる
- 決まった時間になれば部屋んぽが始まる
- 砂浴びが終われば部屋んぽも終わり、その後にはペレットがもらえる
- ペレットケースの音がすればご飯が出てくる
こうしたことは、特別に教えなくても勝手に覚えました。その一方で、「壁紙をかじるな」「フェンスを越えるな」「そこに登るな」は何年経っても守りません。
だから我が家では、覚えてほしいことは同じルーティンを繰り返し、危険なことはしつけに頼らず環境側で防ぐようにしています。
まとめ|チンチラは言うことを聞くというより、よく見て覚えている
チンチラは、犬のように飼い主の指示を次々覚えて、その通りに動いてくれるタイプの動物ではないと思います。
少なくともこたろうは、名前を呼んでも無視することが多いですし、「ダメ」と言ってその場でやめても、すぐ同じいたずらを再開します。
でも、決して学習能力が低いわけではありません。むしろ6年間一緒に暮らしていると、人間の行動や毎日の流れをかなりよく観察し、自分に関係することはしっかり覚えているように感じます。
「これをしたら次はこれ」「この時間になったら部屋んぽ」「この音がしたらペレット」。そういう学習はかなり得意です。
そしておそらく、「これをやったら怒られる」ということもある程度分かっています。
分かったうえで、やります。
それも含めてチンチラなのだと思います。
チンチラをしつけようとするときは、「どうすれば言うことを聞かせられるか」と考えるより、覚えやすい習慣を作ること、できないことは人間側が環境を整えることから考えた方が、お互いに暮らしやすいのではないかと思います。


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