「チンチラのケージは高さがあるものが良い」というのは、ご存じの方も多いですよね。
チンチラはアンデス山脈西側などで暮らしている事もあり、高いところが大好きです。また小さな体ながらよく走り回る運動好きなので、ケージはできる限り、高さ・大きさ・広さのあるものを選んであげるとGOOD。ただ、具体的にどのケージを選べば良いのか?というのを、チンチラをお迎えするその前に決めるのは難しいですよね。
ここでは、 実際にチンチラと一緒に暮らしている飼い主が、チンチラ用ケージの選定ポイントをお伝えしていきます。
■こんな人におすすめ■
~チンチラ用のケージ購入を検討中~
・チンチラのケージメーカーを知りたい
・ケージサイズの選び方が分からない
・複数メーカーのサイズ比較をしたい
・猫用ケージじゃダメかな?と考えている
どうして、うちはこのケージを選んだのか?チンチラの飼い主視点で、ケージ選びのポイントなどをお伝えしていきます。
国内で販売中のケージ
まず、現在国内で販売されている主なケージは下記の2種類です。必然的に、これらのどちらかを選ぶ事になります。
■三晃商会 イージーホームシリーズ
ペットの安全と快適を考え、小動物の生態や習性を研究して商品開発を行っている、小動物用品のメーカーです。
うさぎや小鳥向けの商品も多数あり、いろいろほしくなるグッズを多数開発されています。
■KAWAI コンフォートシリーズ
こちらも三晃商会さん同様、小動物向けのケージやグッズを展開されているメーカーです。うさぎの耳のデザインがかわいい「わらっこ倶楽部」などがあります。ケージは、イージーホームシリーズより少し小ぶりです。
他にもなくはないのですが、小さすぎるとストレスや運動不足の原因になりますし、ほかのペット用のケージだと隙間が大きすぎて脱走の恐れがあります。そのため、「小動物用(かつ、チンチラ向け)」ときちんと謳われているものを選びましょう。
※以前は小動物向けグッズで有名なチャーム(charm)さんで、4階建て大型タイプのケージが販売されていて大変人気がありました。
現在(2021年8月時点)、日本では同タイプのケージを販売している店はありません。
このデザイン、本当にかわいいですよね。ホワイトに他にブラックもあります。
海外からの取り寄せ等も検討したのですが、掃除の際の機能面などから飼い主は「イージーホーム80ハイ」を使用することにしました。ここからは、コンフォートとの比較も踏まえて詳しく紹介していきます。
チンチラのケージ比較
イージーホームとコンフォートは、60サイズ・80サイズがあります。
コンフォート60は「タワー」と呼ばれる別パーツを購入する事で、高さを追加(ハイタイプへ変更)してあげることができます。
※上記の比較表には、ロータイプは記載していません。ロータイプでチンチラさんを飼われている方もいらっしゃいますが、これからチンチラをお迎えしようとしている方は、私個人としては可能な限りハイタイプでお迎えしてほしいと考えています。
へやんぽをたくさんしてあげられる方や日中放し飼い状態にできる方はこの限りではありませんが、ロータイプは高さが低い(H550mm)ので飼い主個人的には窮屈に感じてしまいます。
ペットショップにいるチンチラ達は小さめのケージに入ってることが多いし、昼間はみんなおとなしいよね。でも、本当はとってもすばしっこくてたくさんの運動をするんだよ。
最初はコンフォート60のような小さなケージを用意して、成長とともに大きなものに変えてあげるという方もいらっしゃいます。最初からハイタイプを使用する場合、幼少期はステップや巣箱をあまり高いところに置かない等、落下しないよう工夫してあげれば問題ありません。
ちなみに、うちは最初からこんな感じのレイアウトです。高いところにもステップを配置していますが、動線や落下防止を意識して配置しました。実際落下しそうになったことは一度もありませんが、個体によって運動神経にも差はありますので注意してみてあげてください。
こたろうの体重は610g前後なのですが、横幅・高さともに最低限このくらいはないと狭いかも…と感じます。上記の表を比較し、イージーホーム80がサイズ的に一番大きかったので決めました。うちの場合は、とにかく「一番大きいもの」というのを重要視し、その次の掃除のしやすさ等機能性で比較検討しました。
他頭飼いの方や、ご自宅の環境的に大きいものは置けないという場合は致し方ないのですが、小さめのケージを使う場合、運動不足にならないようにしっかりへやんぽをさせてあげてください。
(実は)気にするポイント:床材
ケージを選ぶとき「床材はどのようなものに変更が可能か」も調べておくのをオススメします。
コンフォート・イージーホームともに、デフォルトの床材は金網です。そのまま使うと足を痛める可能性がある為、ステップで休める場所を作ってあげるか、プラスチックやスノコタイプのオプションパーツやチモシーの敷材を敷く等工夫してあげる必要があります。
掃除は毎日やる事なので、買ってみてから「思ったより掃除やりにくいな…」となるのは嫌ですよね。そうならないように、メーカーごとのオプション製品の事も知ったうえで、掃除のやりやすさの観点からケージを選ぶことも大切です。
■イージーホーム
イージーホームにはプラスチックタイプとスノコタイプの2つのカスタム床材があります。
うちでは「イージーホーム80シリーズ用樹脂休足フロアー(半面×2枚セット)」を使用しています。スノコタイプとも比較しましたが、これもお掃除の観点から、木よりプラスチックのほうが扱いやすそう。という理由で決めました。
スノコタイプの場合は、排せつしたものがそのままこびりついてしまい掃除が大変そうに感じた為です。その点プラスチックは、うさピカなどのウェットティッシュでさっと拭いてあげるだけですし、週末シャワーでサッと水洗いできて水切れも良いので気に入っています。
■コンフォート
コンフォートの場合は、スノコの床材が別売りであります。また「うさぎの座ぶとんL」というチモシーの座布団があり、これを2枚並べるとちょうどコンフォート60の床とと同じサイズになります。
ざぶとん、とっても可愛いです。ケージも見た目も華やかになります。ただ、飼い主視点だと「掃除がちょっと大変そうだな」という印象です…。
ここから、もう少し掃除について掘り下げていきます。
掃除のしやすさ
コンフォートとイージーホームのもうひとつの違いとして、底のトレイの作りがあります。
しっかり閉まる引き出しタイプのトレイがふたつ(イージーホーム60は、トレイひとつ)ついていて、床材からトレイまでの間はスキマがありません。下に落ちたチモシーや、排せつしたものが飛び散らなそう。というのがイージーホームを選定したポイントのひとつでした。
コンフォートは床材からトレイまでの間に隙間があるので、結構散らかっちゃうんじゃないかな?と。
この予測に対して実際使ってみた感想は「イージーホームでも完全防備は不可能」でした。イージーホームだろうがコンフォートだろうが同じだと思うのですが、チンチラはとにかく動くので、ある程度飛び散ってしまうのはどうしようもなかったです。
途中からは「イージーホーム80用クリアー3面カバー」というケージまわりをクリアパネルで囲んで飛び散りを防ぐ。というオプション品も取り付けてたのですが、うちはステップを高所にたくさんつけているという事もあり上から下に落ちるものが多いので、カバーでも防ぎきれずでした。
朝起きてケージまわりを見ると、なんでこんなところにウンティが……というところに、普通に散らかっていたりします。このあたりはケージ内のレイアウトによるところも大きいですが、参考にしていただければと思います。
チンチラは、基本的にはしつけができないんだ。たまに決まったところで用を足す子もいるけど、あっちこっちで好きにようにするよ!
ケージは細かい網目の大型製品を選ぶべし
チンチラさんは丸っこくて少し大きく見えますが、それは毛がもふもふだからであって、結構細いところでも頑張ればすり抜ける事があります。大型のものを用意してあげたいから…と猫用のケージを使ったところ、脱走してしまった。という話はよく聞きます。
確かに猫用のケージは高さもあって広いですし、もしチンチラ用に使えるんだったらサイズ的にすごくいいなと思えるものはたくさんあります。お値段も、イージーホームよりも安価なものは多いです。
ただ、こたろうも大きくなってきたとは言えすり抜けないとも限らないですし、寝ている間に脱走してコードをかじったりしたら…と考えると怖くて怖くて。イージーホームやコンフォートであれば、網目状のしっかりしたつくりになっているので安心です。
ケージはチンチラの安全を守ってあげるためのものでもあるので、扉も簡単に開けられないつくりになっていて、脱走対策がきちんとされている網目の細かいものを選んであげてくださいね。そして可能な限り大型のものを。
こたろうはケージの中のほうが好きなのか、とびらを開放していても外に出ずにまったりしている事も多いです。人間もそうですが、狭いよりは広い家にいるほうが快適ですよね。
いつかはもう少し横に広いケージを、特注なり海外製品なり取り寄せてあげたいな…というのが飼い主の密かな願いです。お掃除の機能性や信頼性、お値段を考えると、なかなか手が出にくいところではあるんですけどね。これからチンチラをお迎えされる方に、この記事が少しでも役に立てれば幸いです。
ケージ内のレイアウトについては別の記事でご紹介していますので、宜しければお読みください。
チンチラのケージレイアウト、みなさんどうされていますか?