チンチラをはじめとしたげっ歯類は、一生歯が伸び続けます。そのため、常に物をかじって歯をすり減らしていく必要があります。野生環境であればかじるものは周りにたくさんありますが、人工飼育下では十分に注意してあげないと知らぬ間に歯が伸びきってしまった…という事が起こり得ます。
こたろうも一度不正咬合疑惑があり、慌てて病院に連れて行ったことがあります。その時の記録をまとめてみました。
■こんな事を書いています
・チンチラの歯ぎしりの理由
・歯ぎしりのはいくつかパターンがあるの?
・不正咬合になるとどうなってしまうのか知りたい
【オマケ】病院選定のポイント
チンチラの歯ぎしり、原因は?
チンチラが歯ぎしりをするのは、大きく2パターンです。
- 感情表現(コミュニケーションをとろうとしている)
- 歯に違和感を感じている(不正咬合、歯の間に物が詰まっている 等)
歯ぎしりの音の種類で上記のどちらなのかがある程度判断できるのですが、この辺は他の方のブログでもたくさん書かれていますのでここではサクっとだけ触れておきます。
・カチカチ:甘えたい、コミュニケーションをとりたい、軽く歯に詰まったものをとっている
・ギリギリ:イライラ、怖がっている、警戒している
こたろうがうちに来てから、甘えた表現であるという「カチカチ」という音は残念ながら聞いた事がありません。甘えてくるときは歯を鳴らさず、プッププップ鳴きます。
ですが、とある日こたろうが「ゴリゴリ」「ガリガリ」という強い歯ぎしりを急にし始めて、これが何時間も続いたのです。
こたろうの不正咬合疑惑
これまでの行動で気になっていたこと
こたろうが急に歯ぎしりを始めた時の事を振り返ります。
体重はいつも通りで変わりなく、出るものもちゃんと出てるし、見た感じいつもと同じで異常はありませんでした。ただ、歯ぎしりが始まる少し前から実は気になっていたことがあったのです。
・たまにエアもぐもぐをしている
・やわらかいチモシーばかり選んで食べている
かじり木はケージの中に入れているものもありますし、それ以外に木の枝も数日に一回与えていていました。そしていつも粉々になるまでかじり倒していました。
ただ、不正咬合は奥歯が多いのに対してかじり木バキバキは前歯を使うので、もしかして奥歯があまり使えていなかったのかも…と不安になりました。というのも、もともとこたろうは柔らかいチモシーやチモシーの穂を好んで食べていたので、すり潰す力や回数が少なかったのかも、と思ったのです。
※こたろうに限らず、大体のチンチラさんはそうみたいですが。
ずっとゴリゴリするのは不正咬合の疑いアリ。という記事も多く見かけたので、やっぱりそうなのかしら…と不安になりつつ、なでてみたり、気をそらせてみたり色々やってみたのですが、ほぼ丸1日歯ぎしりがおさまりませんでした。
動物病院での診察
悩んだのですが、早いほうが良いだろうと思い仕事が終わった後ぎりぎり間に合う動物病院に、電車で30分かけて連れて行きました。
※幸いテレワークだったのと、まだ涼しい時期だったので良かったです。
いざという時に備えて、ライトキャリーにかじり木コーン・給水機等は取り付けて、シーツなどもすべて敷いた状態で保管していたのですぐに出発できました。
動物病院は、一度だけ健康診断で行った事はあったのですが、あまりにもアレな病院だったので今回は別のところへ行ってみました。
※また別の機会に書きますが、飼い主が違和感をちょっとでも感じる病院は止めといたほうが良いですよ…
ことの経緯をお話して、不正咬合の可能性はないかなど歯の状態を見ていただきたい事、歯以外に気になる所見がないかを確認してほしい事をお伝えしました。
はい、わかりました!じゃあ診察前に色々質問させてくださいね
はい、答えられることならなんでも…
チモシーはよく食べてますか?ペレットはどれくらいあげてますか?おやつは?ケージはどんな感じのレイアウトですか?回し車は入れてますか?へやんぽはどれくらんしてますか?その他に気になっている事はありますか? (その後も続く)
(おぉ、めっちゃ聞いてくれる)はい!えーとですね……
という感じで、こちらの話をじっくりヒアリングしてすべてカルテにメモを取ってくれました。体重測定もちゃんとやってくれました。
看護師さんとふたりで分厚いタオルでこたろうをぐるぐる巻き+お顔だけがチョンと出る状態にして、ごめんよ~ごめんよ~と声をかけながら、機械で口の中を見てくれました。そのあと、目のまわりを見たり、お腹を触って膨らんでないか確認したり。全体もしっかり見てくれました。
※この前に行った病院は、じーっと見つめるだけで終わりだったのでちょっと感動しました。これが普通なのかもですが…
全体を見終わって先生が一言。
うん、全然切らなくて大丈夫ですね。歯は。
ほんとですか!良かったあ…
断言してくれるというのはなんと心強いんでしょう!
先生でも判断が難しく、飼い主と方針を一緒に考えなければいけない事もあるんだと思いますが、不安だった中こうやって言っていただけて本当にホッとしました。
こたろうの歯の状態
先生によると、前歯はとてもきれいな状態だけど奥歯の一部がちょっと斜め向きに伸びているところがある、との事でした。ただ、口の中を傷つけている様子もないし伸びすぎてもいない、ごはんの量も減っていないなら大丈夫。しっかりチモシーを食べていれば問題ないと思うので様子を見ましょうと。
もし、おかしな方向に歯が伸び続けると…
- 口の中を傷つけてしまい、痛くてご飯を食べられなくなる
- (不正咬合になると)歯が伸びすぎたことによって口の中から眼球を突き上げるような形になり、もぐもぐしている時に目が動く、揺れることがある
というのを教えていただきました。不正咬合で目が動くなんて…
先生によって診れる診れないというのは無く、みんなチンチラを診察できるのでいつでも気になることがあったら来て下さいね。いやぁー、チンチラかわいいですよね、めっちゃ可愛いですよね!!
とデレデレのお言葉もいただきました。
あれから、こたろうは歯ぎしりする事もなく元気にご飯を食べています。目がぷるぷる動く事もありません。
じゃあ今回の歯ぎしりゴリゴリの原因はなんだったんだ?という話ですが、何か歯の間に詰まって嫌だった、という可能性が高いということでした。いつも通りのチモシーとペレット(チンチラセレクションプロ)あげてたんですが、そんなこともあるんですね。まぁ、人間でも歯間に物が詰まることはありますからね。
ただ今回の事では、ごはん食べられなくなったらどうしようとか、口の中ケガしたらどうしよう…とか本当に心配で不安でした。
今後も不正咬合は怖いですし、体重やウンチの量などはさらに注意して見てあげるようにしつつ、気になることがあればすぐに病院へ連れて行こうと思いました。
不正咬合だけではない、良い病院の見極め方
ちょっと話はそれますが、今後のことを考えて病院を探している方、チンチラをはじめて病院へ連れて行く方へ、私が感じた病院選び・診察時の確認ポイントを記載しておきます。
※私見です。最終的なご判断はしっかり考えてご自身でお願いいたします。
💡Point💡
・口コミが良いものだけを信用せず、評価件数に対しての高評価割合を見極めるべし。
けっこう昔からやってるのに口コミが少なく、かつ高評価ばかりのところは気にしたほうが良いかもしれません。
・逆に悪い意見があっても、病院側に問題があるのか、書き込みした側が難癖をつけて誇張して書いているのかしっかり判断を。
・一度行ってみて違和感を感じたら、自分の直感を信じて別の病院を探すべし。大体そういう感覚は間違ってない事が多いと思います。
・普段の様子を聞いてくれる(ごはん、ケージ、体重など)先生かどうかは重要!
その辺の基本情報なく、ちゃんとした診察ができるの?というのは、素人目線でも考えたら分かる事ですよね。
・なにをどう確認して、結果はどうだったか。を飼い主にちゃんと説明できる先生か?どうかを注視すべし。一軒目に行った動物病院では、結局なにをしてたかも分からなかったし、結果の説明を聞いても説明が下手でよくわかりませんでした。
あたりまえの事ではありますが、大事なペットを守れるのは自分しかいないんだ!という強い思いを持って、良い病院をしっかり見極めてほしいです。私も最初は「こんなもんなのかな」と思ってしまいましたが全然違いました…
みなさんも、よき先生、病院に巡り合えますように。
それでは!