チンチラに安心して与えられる「お水」はミネラルウォーターなのか、水道水なのか?なんとなくミネラルウォーターや、ろ過したお水をあげたほうが良いような気がする…と思いながら検索し、このページへお越しいただいたかと思います。
今回は、チンチラの飼い主として「チンチラへ与える水に対する考え方」をまとめてみました。あくまでこたろうの飼い主の意見となりますが、参考にしていただけると幸いです。
■この記事でこんな事が分かります
・日本の水質基準
・チンチラに適している水とは?
・都道府県によっては、水に気を付けなければいけない
・チンチラ用のペットウォーターについて
毎日飲むものだから。直接体の中に入るものだから。飼い主さんがお水についてしっかり理解した上で、チンチラに与えてあげてほしいんだよ~。
世界と比較して、日本の水は水質基準が非常に高い
日本のように水道水をコップで飲める国は、実は世界中で10数か国しかありません。日本は世界と比較してもかなり水質基準が厳しく、更に各都道府県でも独自の基準を設けるなどして安全な水質の水を供給できるようになっています。
例えば大腸菌に関しては、WHOやEUでは「100mL中に検出されてはならない」と定義されていますが、日本は「検出されないこと」というのが条件です。アメリカEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)の基準では「5%以下」となっています。え、大腸菌5%も含まれた水が水道から出てくるの?と思いますよね。こんな感じで、外国の水道水というのは日本人の感覚としては結構ビックリするような供給環境だったりします。
日本では水道法という法律で厳しい水質基準が設けられており、定期的に数百種類もの検査が実施されています。こうした管理により、日本の水は高い安全性が確保されていると言えます。
ちなみに、国によって定められている「良い水」の基準には違いがあります。日本では上述のとおり「安全性」が重視されますが、他の国だと「おいしさ」であったり「いかにミネラルが豊富か」という点が重視されているケースもあります。そのため殺菌をそもそもしなかったり、殺菌の程度が低かったり様々です。
今回記載する記事は、あくまで日本国内においての水道水をチンチラに与えても良いものか?という観点で記載していますので、もし外国にお住まいの方がこの記事を読まれる場合は、自国の水質基準を確認のうえ、判断なさってくださいね。
チンチラに適した水質・硬度とは
水には、大きくわけて「硬水」と「軟水」があります。硬水と軟水の違いはその名の通り「硬度」で、水1リットルあたりのカルシウム、マグネシウムの含有量であらわされます。硬度120mg以上が硬水、120mg未満が軟水とされていますが、日本国内で供給される水道水は地域によって差はあれどすべて軟水です。
味の違い的には、軟水がまろやかでさっぱり、硬水が苦みがある感じです。
硬水ミネラルウォーターで有名なのは「コントレックス」ですね。飼い主はあまり好きではありませんが…
前置きが長くなりましたが、チンチラに限らず一般的にペットにあたえるお水の水質・硬度は軟水が良いとされています。日本の水道水=軟水ですので、基本的には水道水を与えても問題ないと言われていますし飼い主自身もそう考えています。
また水道水には塩素系の消毒剤が入っているので、食中毒の原因になる可能性がある細菌などの混入、繁殖を防止することもできます。塩素系の消毒剤というと、あまり与えないほうが…とか、一度煮沸して冷ましてから与えたほうが…というイメージもあるかもしれません。ただ、当然ながら人やペットが安全に飲めるレベルの量しか使用されていません(1.0mg/L以下)。
完全にナチュラルで清潔なお水をあげられるのが理想的なのかもしれませんが、なかなかそれも難しいですよね。であれば、ある程度人が安全に飲めるように手を加えたもの&ローコストでずっと与えられるものが良いと思います。という事で、飼い主的にはチンチラには水道水が適していると考えています。
もちろん、ミネラルウォーターもダメというわけではありません。日本国内で採れたミネラルウォーターには軟水の商品が多いですが、特に海外のミネラルウォーターはマグネシウムやカルシウムが多く含まれる硬水の製品が多く存在しています。
人間が飲んでも影響のないカルシウム・マグネシウムの量であっても、チンチラにとってはミネラル過多となる可能性があります。ミネラルを過剰摂取すると尿結石などができる原因にもなる為、人が飲むミネラルウォーターを与える際はしっかり成分を確認し、軟水のものをあげてください。またミネラルウォーターは水道水のように殺菌されていないものもありますので、開封してから時間が経ったものを与える事は推奨されません。
※「水」つながりでは、こちらの記事も人気です。
チンチラの生命にかかわる注意事項のひとつが「水の取り扱い」です。
日本は都道府県によって水の硬度・軟度がかなり違う
先ほど、安全性と軟水という点から水道水を推奨する。と記載したのですが一部例外があります。日本の中でも一部地域のみ、硬度が高い地域が存在するんです。
特に関東、千葉・東京・埼玉あたりの硬度はその他地域と比較して硬度が高く、国内で一番硬度がひくい地域と比較するとミネラルの含有量で50mg/L以上の差があります。
参考リンク:全国水質マップ (クリタック㈱様から引用)
硬度が高いと、ミネラル成分が多かったり口当たりが少し苦くなるだけでなく、水垢が残りやすくなったりシャンプーの泡が立ちにくい、洗剤を洗い流す回数が多く必要、など色々な弊害があります。ミネラルが多いというのをプラスに捉える事もできますが、個人的にはマイナスポイントのほうが多いよな~と思います。※チンチラには直接的には関係ありませんが(-_-;)
家全体を軟水化することもできるのですが、お高い装置を買ったりランニング費用も発生したり、あまり現実的ではありません。だけどチンチラにそのまま水道水を与えるのはちょっと気が引ける…という方は、次に紹介するペット用のお水(ペットウォーター)を検討されても良いかもしれません。
チンチラ向けのペット用水(ペットウォーター)
チンチラのみならず、ペット向けの専用水というものが販売されています。犬猫用の場合、殺菌を施さない人間と同じようなペット用ミネラルウォーターが存在しますが、チンチラの場合専用のペットウォーターとして販売されているのは「水道水を加工したもの」です。
完全な軟水ミネラルウォーターだと保存や劣化が不安、だけど水道水の硬度が高い地域に住んでいてチンチラにそのまま与えて良いのか不安…というような方は、こういったチンチラの専用水をつかうのも良いかと思います。
チンチラにあわせて水道水のミネラル成分を調節したもので、チンチラの体内の水分と同じようにできており体にも吸収しやすいとのこと。個人的には、雑菌が繁殖しにくく保存性が高いというところが高評価です。
災害時に人間用のミネラルウォーターは用意しているけど、ペット用の水まで考えていない(飼い主も少し前までは、同じものを飲ませるつもりでした)という方も意外と多いのではないでしょうか。災害時に水が変わる事で体調に影響が出てしまう事を少しでも防ぐため、こういった商品もいくつかは買っておくと安心ですね。
※Amazonではチンチラのみずの取り扱いはありませんでした。
いくら水質や硬度を気にしてあげたとしても、吸水ボトルを洗わずにつけっぱなしにしているとか、お水の交換頻度が低いとか、お世話の仕方に問題があると台無しになってしまいます。給水ボトルや水入れは常に清潔に、最低でも1日1回は交換してあげてください。
また、給水ボトルは毎日使っているとなかなか乾燥させるタイミングがありません。そのためうちでは給水ボトルは2つ用意していて、少なくとも3~4週間に1回程度は給水ボトル自体を交換し、乾かすようにしています。乾燥中にお水が飲めないのはかわいそうですから…(;´・ω・)
チンチラはあまりお水を多く飲まない性質ですが、毎日からだの中に入るものですから、安全性が高く安心して飲みたいときに飲める環境をつくってあげたいですね♪