モフモフな体が注目されがちなチンチラですが、忘れちゃいけない「しっぽ」の存在。しっぽが持つ可愛さに、皆さん気づいていますか?
飼い主はこのしっぽのバサバサ感も大好きなのですが、今回はかわいいだけでなく様々な役割・意味があるチンチラの尻尾について解説していきたいと思います。
■こんな事をまとめてます
・チンチラがしっぽを振る理由
・自分でしっぽを噛んじゃうのはなぜ?
・複数メーカーのサイズ比較をしたい
・しっぽが抜ける、とれるという噂について
感情表現はもちろん、チンチラにとって大切なパーツなんだよ~
チンチラ 尻尾の概要
チンチラの尻尾は17~18cmくらいの個体が多いようです。※こたろうの尻尾の長さを測ってみたところ、16cmでした。
体に対して長い尻尾が特徴で、体毛はふわっふわでかなり良い手触りであるのに対し、しっぽは少しパサパサしていて飼い主的には柴犬の毛の手触りに近いと感じます。
一般的な動物と同様、チンチラのしっぽもバランスを取ったり、体を支えたりする役割があります。
尻尾を振る(回す)・丸めるのは●●の感情表現
チンチラと暮らしていると、しっぽをフリフリ振ったり丸めたりする行動が見られます。鳴きながらしっぽを振る事も多く、その時は「プップッ」という可愛い鳴き声ではなく「ブブブブブブゥ」と言うような不機嫌?な声で鳴く事が多いです。
犬の場合、しっぽを振るのは楽しい・嬉しいのサインというのが通説ですが、チンチラの場合はその逆で「不機嫌を表現している」と言われています。
実際に、こたろうもブゥブゥ鳴きながらしっぽをブンブン回す時はイライラしてる感じが伝わってきます。普段は人を噛んだりしませんがこの時だけは指を差し出すと噛んできたりします(甘噛みなので、ケガはしませんが…)
また、おもにオスはチンチラはイライラしている時以外に発情期にもしっぽをフリフリ振る傾向があります。そういう時には、チンチラの体と同じくらい、または少し小さいサイズのぬいぐるみを与えてあげると、上に乗っかったり噛んだり一通り戯れて大人しくなります。
初めて尻尾を振るところを見た時は、犬みたいで可愛いな~なんて思ったものですが、今はしっぽを振り始めると「始まった!噛まれないようにしないと」と身構える飼い主です。笑
自分で尻尾を噛む理由
みなさんは「自咬症(じこうしょう)」を知っていますか?チンチラだけでなく、ペットを飼っているとこの症状に陥ってしまう子は少なくなく、ストレスやちょっとしたきっかけで、自分の皮膚を噛んだり、毛を噛みちぎったり抜いたりしてしまう症状です。毛咬みや、毛むしりというとイメージしやすいでしょうか。
※自噛症、自噛病 という書かれ方をする事もありますが、正しくは 自咬症 です。
ちょっとしたきっかけとは、例えば何かの拍子に皮がちょっと剥がれてかさぶたになり、そこが気になって自ら噛んで傷を広げてしまったり、歯で毛を引っ張ってたり…という何気ない事。そこから、どんどん傷や脱毛範囲がひろがります。
また、カビなどが原因でかゆみが出ていて、それが原因になっている可能性もあります。
鳥類では「毛引き症」と呼ばれたり、人間でも最近はこの症状が話題になり「皮膚むしり症」と呼ばれています。無意識のうちに、クセで行なってしまうのが特徴です。
チンチラが尻尾を噛む場合、この 自咬症に当てはまっている可能性があります。
クセでやっているだけの可能性もあるので、毛や皮膚に目に見えた変化がなければそこまで神経質にならなくても良いかもしれません。ただ、明らかに脱毛している範囲が広がっていたり一部だけ毛が薄い、赤い皮膚が見えてしまったりしている場合は病院で診てもらうことをおすすめします。
チンチラの尻尾が取れるってホント?
チンチラのしっぽは、注意して扱わないと「スポンっ」と取れてしまいます。え、取れるってどういうこと…?と思いますよね。取れるというよりは「抜ける」のほうが正しい表現かもしれません。
チンチラだけでなくリスやデグーなどのげっ歯類もそうなのですが、天敵に遭遇して襲われたり、無理やり押さえつけようといた時に毛や皮膚がごっそり抜けたり、剥がれたりする事があります。
この症状はファースリップやヘアスリップ(しっぽの場合はテールスリップ、テイルスリップ)と呼ばれます。毛が抜ける仕組みについては詳しく判明していませんが、精神的な恐怖心から起こるとか、ホルモン・換毛のサイクルなどに関係しているとも言われています。
天敵につかまってしまった時、逃げるためにごそっと脱毛してしまう…という説もあります。いずれにしても、ほぼ丸裸の状態になるわけですね…。
これは尻尾に限らずに起こり得る事ですが、特におしりを向けて逃げる時に尻尾をつかまれる可能性が高いからなのか、チンチラやデグーは特にしっぽの毛や皮膚がずるんと剝がれやすくなっているようです。
しっぽに関しては「尾切れ」と「尾抜け」というふたつのパターンがあります。
尾切れ:しっぽが骨ごと切れる事。
尾抜け:骨と皮膚は残ったまま、被毛だけがズルんと剥けた(抜ける)状態の事。
痛々しい画像が多いのでおすすめはしませんが、知識として知っておきたい。という方は「尾抜け」でGoogle検索してみるとデグーちゃんの画像はたくさん出てきます。※やっぱりデグーのほうが尾抜けは多いのかも。
部屋んぽからなかなかケージに戻ってくれないからといって、絶対にチンチラの尻尾をギュっと掴んだりしてはいけませんよ!尾切れや尾抜けだけでなく、骨折の原因にもなりかねません。
骨折した場合はこれも大変です。人間の骨折の場合は、ギプスをして再生を待つのが一般的ですが、ひどい骨折の場合は手術をしますよね。チンチラも同じで、固定して治癒をまつか手術かを選ぶことになります。
ただ体が小さい分手術は難しく、成功しない事もあり得ます。自然治癒を待つ場合も、完治するまで砂浴びもできませんしうまく動けずにストレスがかかります。様々なリスクがありますので、骨折させないように気を付けることが何よりも大切です。
夜中、飼い主が寝ているあいだにケージの中でけがをするパターンもありますので、ケージの中に危険な個所がないかは今一度確認してみてくださいね。
トカゲやカナヘビと違って、チンチラのしっぽは一度切れたり抜けたりすると再生しません。飼い主は、モフモフの体だけでなくあのバサバサなしっぽもチンチラのチャームポイントのひとつだと思いますし、生きていくうえで必要な大切な部位でもあります。
改めて、みなさんのチンチラちゃんの尻尾も観察してみてはいかがでしょうか。
以上、チンチラの「しっぽ」についての解説でした。